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お空の隠れ家

暴力は終わらなかった

彼はとにかく神経質だった。

そして何より自分が他人からどう見られているのか、他人の視線を恐れていた。


特に髪型は彼にとっては最大に気を使うこと。

気に入らなければ朝だろうて夜だろうと2回でも3回でも入りなおす。


私は毎日彼の髪型をチェックしなくてはならなかった。

つまり昨日との違い、バランス、流れやうねり具合い、細かい所全て。。


でも私には覚える能力がかなり欠けていて、わからなかったりした。同じようにしか見えなかったし。。


私はバランスも良いし良くなってるよ。
と言う。本当の事だったから。


でも鏡を見たり、写メを撮ると「此処のうねりが昨日の方が多くて良かった」
「此処の流れが今日は右にいきすぎじゃないか、いつもの方がいい」彼は気にくわないよう。

彼は神経質な人だった。


そして私は嘘つき者になる。

「ちゃんと見て覚えてよ嘘つき」

「面倒だからって適当なこと言って、髪ちゃんと見ないといつまでも寝れないよ」

「俺が盲目な人だと思って後ろ髪がどうなってるか言葉でわかりやすく説明して」


そして最後には、「アンタのせいでまたやりなおしだよ。変だったらすぐ言ってよ時間の無駄だから」



たくさん蹴られたし、頭を殴られた。
平手打ちもされた。

手が痛くなったのかそのうちリモコンや掃除道具や手鏡で殴るようになってきた。
手鏡は割れて何枚も買うはめになった。


私は彼がお風呂に入ったのを確認して泣いていた。。。

自分の無力さに泣いていた。


あの時殴られた音が今でも消えない。

脳みそが揺れる感覚が忘れられない。

鏡に映る醜い泣き顔の自分が忘れられない。
by Bluesky-kakurega | 2008-07-10 03:02 | DV(過去)
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